コラム「パラスポーツが切り開く産業復興」

ダイバーシティ研究所 参与 井上洋

 ダイバーシティ研究所は、3月13日、仙台にて、セミナー「パラスポーツが切り開く産業復興〜パラリンピックを契機とした新たなイノベーションの創出を〜」を開催します。
いま日本では、お隣、韓国・平昌で開かれている冬季オリンピックにおける日本選手の活躍に沸いています。日々努力するアスリートの活躍は、国民、とりわけ青少年、子供たちにスポーツの楽しさ、生きる勇気を与えるものですが、3月に入ると冬季パラリンピックも始まります。
そしてそれが終われば、いよいよ2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックです。その成功を通じて、東日本大震災被災地などの復興を推し進めるものとなることが強く求められますが、その具体的な道筋はいまだ明確に描き切れていません。

いうまでもなく、アスリートが東京2020において、実力を発揮できるようにするためには、科学的な見地から効果的なトレーニングを積める環境が整えられ、また最先端の技術を実装した用具、器具が利用できるよう、官民による支援、連携の輪を広げていく必要があります。
特にパラアスリートについては、その置かれた状況の厳しさを踏まえて、官民あげた取り組みを強化する必要であり、例えばパラスポーツに欠かせない各種の義肢・装具、競技用、トレーニング用の用具、器具の開発等に被災地で事業を行う企業の技術、ノウハウなどをつぎ込み、実際に使用されるよう、関係者間の情報共有と具体の事業連携体制の構築を急ぐべきだと考えます。


 今回のセミナーは、復興庁「新しい東北」官民連携推進協議会の連携事業として開催し、アスリートと義肢・装具、車椅子などパラスポーツで使用する用具、器具の開発、製造に携わる者、被災地で事業を行う企業、団体、行政の関係者が官民連携の進め方、それによる被災地復興への貢献などを議論します。

ゲストには、パラ陸上・走高跳びで2m02のアジア記録を持ち、5大会連続でパラリンピックに出場している鈴木徹氏と、鉄道弘済会の義肢装具士としてパラアスリートの義肢装具を開発、提供するとともに、義足のユーザーを中心とした陸上クラブ「スタートラインTOKYO」の代表として活躍されている臼井二美男氏のお二人をお招きします。パラアスリートの日々の努力やそれを支える義肢・装具製作の現場の実情などがお聞きできるものと思います。
参加費は無料ですので、奮ってご参加ください。
(写真提供:鈴木徹氏、臼井二美男氏)


鈴木徹氏

臼井二美男氏