メールマガジン Vol.188(2024/4/26発行)

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一般財団法人ダイバーシティ研究所 メールマガジン
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Vol.188 (2024年4月26日発行)

終わりと始まり

 先月、実父が他界しました。

 3年ほど前から入退院を繰り返していたのですが、2月初めに入院してから容態が日に日に悪化していきました。3月28日に死去し、3月31日に通夜、4月1日に葬儀と、年度の節目に合わせるように見送りました。

 父は終戦間近の1945年7月に西宮で産まれました。よく祖母が「防空壕で生まれた」と言ってましたが、真偽のほどはわかりません。戦後の厳しい時代に7人兄弟の下から2人目という立ち位置で育ったため、とにかく食べるのが速かった。私が食べるのが速いのは、父の影響が多分にあります。

 正月に発生した能登半島地震の支援に関わっており、いよいよ厳しいと聞かされた3月からは父の容態を気にしつつ、それでも現地通いを続けていました。父が亡くなったという第1報は、支援活動で出たゴミを金沢で処理している最中に届きました。大学入試の願書を出しておきながら卒業したら働いて海外放浪の旅に出ると言ったときも、阪神大震災で支援活動に邁進して家を飛び出したときも、父はとくに私を咎めることはありませんでした。死に目に立ち会えなかったことも、おそらく父は「しゃあないなあ」と思っていることでしょう。

 さて、能登半島です。4月に入ってから現地にいる支援者の数がめっきり減ったように感じます。一方、暖かくなってきたことや水道が復旧しはじめたことから、避難先から戻って来られる方々はこれから増えていく見込みです。倒壊した家屋はほとんど片付いていませんし、仮設住宅があちこちに建ち始めた以外は被災地の光景はあまり変化がありません。緊急期のニーズは収束しても被災地のニーズがなくなったわけではなく、過去の災害での経験からも、世の中の関心が薄れていくこれからのタイミングで必要となる支援にどう応えていくのかがとても大切だと思っています。

 ひとつの出来事の「終わり」は次の出来事の「始まり」につながっているのだと、父の死を経て改めて感じました。フェーズが変わるという言葉にも共通するかもしれませんが、何かが終わるということは何かが始まるということと表裏一体なのではないでしょうか。地震からまもなく4ヶ月を迎える能登半島では、見えにくくなっている被災された世帯のニーズに改めて耳をすまし、これから先の見通しを立てるための支援が必要です。

 当研究所でも地元の自治体や支援団体と連携しながら、今後も能登半島の復旧・復興に携わっていく予定です。今後もみなさんからのご協力やご助言をいただけますとありがたいです。
2024年4月25日
一般財団法人ダイバーシティ研究所 代表理事
田村太郎


【輪島市被災者アセスメントスタッフ募集】

ダイバーシティ研究所では、4〜6月にかけて能登半島地震で被害を受けた輪島市の被災者に対し訪問による生活実態聞き取り(アセスメント)を実施しています。石川、富山、福井の3県を中心にアセスメントをしていただくスタッフを募集しています。募集要項をお読みの上、希望される方は登録フォームでお申込みください。

[募集要項] https://diversityjapan.jp/dl/Wajima_Application_Information_v3.pdf
[申込みフォーム] https://decojp.net/disaster/wajima2024/


【田村登壇のイベント1  2024年5月14日 東京・オンライン 】

SRフォーラム2024 「地域の持続可能性の向上に、なぜ人権が重要か 
– 外国人も『働き続けたい』と感じる地域づくりに向けて」
技能実習制度の見直しによってようやく進められる外国人雇用の是正を皮切りに、地域の持続可能性の向上に、人権への取り組みがなぜ必要かつ重要なのかについて、有識者会議委員を務められた日本商工会議所・東京商工会議所の大下英和氏と、日本における多文化共生の端緒を開いたダイバーシティ研究所の田村太郎氏にお話を伺いながら、ご参加のみなさまとともに考えたいと思います。

日時 2024年5月14日(火)18:00 – 20:00
場所 対面とオンライン(Zoom)の併用(ハイブリッド)
           地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)渋谷区神宮前5-53-70 国連大学ビル1F
参加費/定員 無料 / 会場:20名(お申し込み先着順)、 オンライン:20名(同)
申込 
https://forms.gle/gxJMb9zAUPtqSC1AA
詳細    https://sr-nn.net/archives/6131
主催 社会的責任向上のためのNPO/NGOネットワーク(NNネット)


【田村登壇のイベント2  2024年7月3〜5日 滋賀県】

持続可能な地域社会の形成とダイバーシティ  ~多文化共生からダイバーシティへ~
多文化共生やダイバーシティの推進に携わる自治体職員等を主な対象とします。
持続可能な地域の形成のため、多様性を認め合い、様々な考えや価値観を尊重する姿勢が必要となる中、自治体には誰もが暮らしやすく、活躍できる地域づくりが求められています。この研修では、「職場」「地域事業所」「地域住民」の視点からダイバーシティ推進に係る様々な課題を認識し、これからの地域社会のあり方や自治体が各所と連携するための手法を考えます。

日時 2024年7月3〜5日
場所 全国市町村国際文化研修所(滋賀県)
対象 多文化共生やダイバーシティの推進に携わる自治体職員等、定員30人
詳細 https://www.jiam.jp/workshop/detail.html?t=24207
主催 公益財団法人 全国市町村研修財団 全国市町村国際文化研修所(JIAM)


【お知らせ】

1.復興庁・産業復興事例集2023-2024
田村が監修委員を務めました。「被災地企業に学ぶレジリエンス向上の鍵」と題した監修委員座談会の記事も掲載されています。

2.被災世帯を対象とする支援需要評価に関する研究
〜生活再建への移行期における被災者生活実態調査の実践から〜
日本災害復興学会論文集第23号に当研究所が実施してきた被災者アセスメントから得られた知見をまとめた論文が掲載されました。

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発行日:不定期
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