当研究所では2018年7月の「西日本豪雨」で最も被害の大きかった地域のひとつである広島県坂町において、豪雨による被災状況を把握し、避難生活での被害拡大を防ぎながら生活再建期・コミュニティ再生期への移行をサポートすることを目的として、被災世帯への聞き取りによる調査を2018年9月から10月にかけて実施しました。

特に被害が大きかった小屋浦地区、坂地区、横浜地区の被災世帯2,482世帯を対象とし、被害状況、生活状況、今後の見通し等を、主に福祉専門職からなる調査員が訪問して聞き取り、1,551世帯から回答を得ました(回収率62.5%)。

調査結果を踏まえ、今後の被災者の生活再建に必要な施策として、日常生活の支援なども総合的に視野に入れた「災害ケースマネジメント」の導入を提唱し、世帯の状況に応じた支援を行うことが望ましいと提言しました。本調査で得た情報は、地域の復興支援を担う「坂町地域支え合いセンター」運営の基礎資料として活用されています。




豪雨直後の坂町小屋浦地区

「坂町 平成30年7月豪雨被災者アセスメント調査」調査報告書

「坂町 平成30年7月豪雨被災者アセスメント調査」調査報告書【概要版】

*2019年5月21日開催の「第4回 災害時の連携を考える全国フォーラム」分科会4
「生活再建支援を見据えた福祉専門職によるアセスメント
~災害ケースマネジメントに基づく支援のために~」
にて当研究所の山本が坂町での調査に基づく発表を行います。

*当調査における小屋浦地区での調査は、日本財団ボランティア活動支援金による支援を受けて実施しました。

2021年度に上記調査から3年後の経過を調査した「平成30年7月豪雨被災者の生活状況フォローアップ調査」を実施しています。以下よりご覧ください。

https://diversityjapan.jp/disaster-research-2021-sakacho/