メールマガジン Vol.205(2026/6/22発行)

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ダイバーシティ研究所 メールマガジン

当研究所の活動や「ダイバーシティ」についての情報をお届けします

Vol.205 (2026年6月22日発行)

「変化を厭う私たち」の脆弱性

 ホルムズ海峡の封鎖が長引き、世界的な物価の高騰やさまざまな商品の供給不安があっという間に世界に蔓延しました。1970年代のオイルショックや1990年代の湾岸危機など、世界は何度も同じ経験を繰り返してきたはずです。それなのに、世界はいまも多くの石油由来製品を湾岸諸国に依存し続け、SGDsの目標年である2030年まであと3年あまりしかないにもかかわらず、脱炭素の取り組みがほとんど進んでいないことが露わになりました。こんな脆弱な世界の現実に、私は驚愕しています。原油の供給源の多様化や、代替製品への置き換えようという動きは、なぜ進まないのでしょうか。

 その背景には、私たちの「変化を厭う習性」があるかもしれません。いちどうまくいった経験や定められたルールがあると、私たちはそれを疑うことなく踏襲し、従い続けます。例えば日本において、災害時の指定避難所は今も多くが「学校の体育館」です。これは明治政府が決めたことで、江戸時代まで災害時の避難先は寺でした。明治政府は寺を幕府の末端組織として統治から排除し、新しい地域の核として学校を整備しました。明治天皇の写真を飾り、村の運動会を校庭で行い、選挙が始まると投票所も体育館に設けました。戦後も学校は地域の核として存在感を持ち続けます。しかし近年は人口減少で統廃合も進み、学校がない集落も増えています。そもそも体育館は子どもが体育をする場所であって、人が生活する場所としては適切ではありません。

 しかし私たちは他の場所を避難所にしようという発想にはなかなか至らず、体育館の環境を多少改善して「みんなで頑張ろう」とします。社会の変化に応じて避難のあり方そのものを変えよう、という声は高まりません。オイルショック以降の世界も同じかもしれません。おじさんにハーフパンツの着用を認めて冷房の設定温度を多少高くしたところで、基本的な課題の解決にはなりません。私たちはもう以前とは条件が異なる世界にいるのですから、新しい世界に合わせた生き残り方を編み出す必要があります。

 慣れ親しんだやり方は安心感がありますし、失敗しても過去の人に責任を押しつけることができますので、私たちはどうしても変化を厭うのでしょう。一方で、社会がどうにも行き詰まり、ある日突然、オセロのようにパタパタと一気に変化するのもこれまでの常です。そろそろ社会の持続可能性が危うくなってきました。私たちが次の世紀も生き残るために、脆弱な世界から脱却する「変化を厭わない心構え」だけは持ち始めたいところです。


ダイバーシティ研究所 代表理事
田村太郎

【ダイバーシティ研究所からのお知らせ1】

2025年度事業報告書を公開しました

2025年度も多くの方のお力添えをいただき各種取り組みを実施することができました。

この場をお借りしてお礼申し上げます。

事業報告書は下記URLよりご覧ください。

https://diversityjapan.jp/soshiki/about-us/

【ダイバーシティ研究所からのお知らせ2】

役員変更のお知らせ
2026年5月27日の評議員会にて役員の変更が可決されました。

詳細は下記URLよりご覧ください。

https://diversityjapan.jp/soshiki/researchers/

【田村登壇のイベント1 2026年7月11日 愛知県豊田市】

多文化共生って…?一緒に学ぼう!わたしたちの地域の未来のために 講座・座談会
2部構成で、田村は1部の講義を担当します。2部の座談会への参加は1部への参加が必須となっております。

詳細・お申込み:豊田市役所多様性社会共創課

https://www.city.toyota.aichi.jp/event/study/1076910.html

【田村登壇のイベント2 2026年7月17日 茨城県水戸市】

令和8年度 国際交流・協力ネットワーク会議
茨城県内市町村、市町村国際交流推進組織及び県内民間国際交流・協力団体を対象に、それぞれの組織が地域の国際化を推進するための研修や情報交換の場とすることや、連携を深めることを目的とした連絡会議です。田村が基調講演を行います。

詳細・お申込み:公益財団法人茨城県国際交流協会

https://www.ia-ibaraki.or.jp/post-8697/

【田村登壇のイベント3 2026年7月27日 オンライン】

オンラインセミナー2026「知る!考える!世界とつながる!共生が広がる!」 〜グローバル化する日本社会で、未来を拓く自分のチカラを見つけよう〜(全2回)
全2回の開催で、第1回を田村が「
国境を越える人の移動と私たちの暮らし〜多文化共生と地域の未来について考える〜」というテーマで講演します。

詳細・お申込み:公益財団法人かめのり財団

https://www.kamenori.jp/kamenorionlineseminar2026/

【お知らせ1】

パナソニックホールディングス株式会社
2026年度助成プログラムについて

パナソニックグループではSDGsの大きな目標である「貧困の解消」に向けて取り組むNPO/NGOを対象に、「海外助成」「国内助成」の2つのプログラムで、第三者の客観的視点を取り入れながら組織課題を明らかにする組織診断や、具体的な組織課題の解決、組織運営を改善するための組織基盤強化の取り組みに助成しています。

募集概要や詳細は下記よりご覧ください。

https://holdings.panasonic/jp/corporate/sustainability/citizenship/pnsf/npo_summary/2026_recruit.html

【お知らせ2】

公益財団法人かめのり財団
第20回かめのり賞2026(令和8)年度の募集開始

かめのり財団では、日本とアジア・オセアニア(*)において、若い世代を中心とした相互理解・交流の促進や人材育成に草の根で貢献し、世界の平和と共生社会の実現に寄与する個人または団体を顕彰しています。

募集要項や詳細は下記よりご確認ください。

https://www.kamenori.jp/award/

【お知らせ3】

公益財団法人 橋本財団 運営 ウェブマガジン「brIDge(ブリッジ)」
代表理事 田村のインタビューが掲載されました

「brIDge」を運営する「公益財団法人橋本財団」では、これまで岡山県を中心に、自治体や専門機関と連携しながら、外国人住民への日本語支援や生活支援、多文化共生の促進に取り組んできました。情報の集約と深堀により分断を超え、また具体的な方策につながる論点を明らかにすることで地域・地方自治体の現場での対応が進むことを支援するために創刊されました。

インタビュー記事は下記よりご覧ください。

https://bridgejapan.net/category/interviews/

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