メールマガジン Vol.202(2026/3/18発行)

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一般財団法人ダイバーシティ研究所 メールマガジン
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Vol.202 (2026年3月18日発行)

収縮する社会と試される寛容性

 東日本大震災から15年の節目を前に、岩手の沿岸におじゃまする機会を得ました。震災から8年のあたりで感じられた「そろそろ長いトンネルの出口が見えてきたかな」という明るい雰囲気はなく、「ここ数年はむしろ後退した気がする」という声をいくらか耳にしました。「東京2020」を機にこれまでの感謝を世界へ伝えたいという被災地の空気もコロナ禍とともに吹き飛んでしまい、反転攻勢のきっかけが見えません。

 厚生労働省が2月に発表した2025年の出生数は70万5809人で、統計を開始した1899年以降で最少となりました。災害が発生しなくても人口が急減する中、災害前の人口や市場規模の回復を復興の目標とすることはできません。何を持って復興とするのかは、私たちがどんな社会をめざすのかと重なります。従来の延長線上で社会を眺めていては展望は開けず、まずは多様な選択肢のある社会へと転換を図り、新たな試行錯誤を繰り返しながら次の社会へと進んでいく必要があることを、私たちは東北復興の15年の歩みから学ばなくてはならないように思います。

 新たな試行錯誤には労力がかかります。多様な働き方、多様な暮らし方を実現するには、多様な価値に対する寛容性が試されます。これまでのルールに従って生きてきた人には「ズルい」と受け止められるような、社会規範の大幅な見直しも必要です。国境を越えて移動する人々やセクシャルマイノリティへの権利の保障、学校外での学びの機会や副業を含む働き方の自由さの拡大など、寛容な取り組みを進めると時に反発が起きることがあります。そこには、「相手の自由を認めると、自分たちの権利が脅かされる」という恐怖感が透けて見えます。

 厳しい状況が拡がる東北でも、いくつか明るい兆しが見られるまちがあります。そこはいずれも、内外を問わず新しい住民を受け入れ、新たな考えを導入し、新たなチャレンジをしているところです。大規模な災害では、居心地の良かったかつての頃に戻ることはもうできない、という現実を目の当たりにします。これは被災しなくても同じことです。経済も人口も収縮していくこれからの日本社会に必要なことは、過去の延長線上に思考を置くのではなく、新たな社会に向けて寛容性を高めるための覚悟です。

ダイバーシティ研究所 代表理事
田村太郎


【田村登壇のイベント1 2026年3月25日 千葉県成田市】

SORATO NRT ダイバーシティ推進セミナー2026
日本最大の貿易港である成田空港では、現在滑走路の新設や新旅客ターミナルの建設などにより、年間発着容量が約1.5倍の50万回に、空港敷地面積が約2倍となるになるなど、「第2の開港」ともいえるビッグプロジェクトが進められています。千葉県では、こうした機会を捉え、空港内外の一体的発展を目指して成田国際空港株式会社と共に、NRTエリアデザインセンター(NADC)を設立しました。NADCは、日本経済の再活性化と地域の持続的な発展に向け「SORATO NRTエアポートシティ構想」を策定し、「誰もが輝き、世界と響き合う“フラッグシップエアポートシティ”」をビジョンに様々な取り組みを進めています。
構想においては、「誰もがその人らしく生きる分かり合える地域社会の実現」を目指すこととしており、空港内外の発展に伴い、多種多様な人材が働き、暮らすことが想定されるSORATO NRTでは、ダイバーシティに最大限配慮したまちづくりが求められているところです。本セミナーは、性別や年齢、国籍を超え、多様な人が活躍できる「ダイバーシティ」の地域づくりに向け、空港周辺自治体および民間企業における先進的な取組事例を学んでいただくとともに、新しい空港都市圏の持続可能なまちづくりのあり方を考えることを目的としています。

【お知らせ1】

災害ケースマネジメントに基づく 被災者支援ガイドブック
災害時に被災者支援に携わる自治体職員、福祉・医療関係者、NPOやボランティアなど、現場で支援を担う方々が、「災害ケースマネジ メント」の考え方に立脚し、実践に活かすための手引きとして「災害ケースマネジメントに基づく 被災者支援ガイドブック」を作成しました。ぜひご活用ください。


【お知らせ2 】

webサイト「nippon.com」に田村のインタビュー記事が掲載されました
地震や津波、台風などが頻発する日本。自然災害にあまり縁のない国・地域からの訪日客にとっては、「どれだけ危険なのか」「どう対処すべきか」と心配が尽きない。災害対策に不安を持つ外国人が身の回りにいたら、ちゃんと教えてあげられるように日本人側も知識を身につける必要がある。外国人被災者支援に30年余り従事する専門家に、災害への心の備えを聞いた。

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