特集「大阪北部地震(2018/6/18)」

2018年6月18日に発生した「大阪北部地震」で被害にあわれた皆さまにお見舞い申し上げます。

当研究所では地震当日から配慮が必要な被災者の方々への調査や今後の推移検討を実施中です。その結果や具体的な支援活動につきましては当ページから情報発信を行います(右写真は阪急梅田駅)

1.大阪駅、新大阪駅での滞留者
2.大阪北部地震における避難者の動向と今後の予測
3.茨木市での在宅避難者生活実態調査の実施


 

1.大阪駅、新大阪駅での滞留者




発災当日の10:30から12:00にかけてJR大阪駅、阪急梅田駅、JR新大阪駅の状況を確認しました。
(左写真はJR新大阪駅)

  • 既に数時間が経過し、過度の混雑や混乱はない
  • 滞留者は駅構内に散在するかたちで柱の下等に腰を降ろす等して運行再開を待っていた
  • 早朝から営業していたコーヒーショップ、コンビニは継続して営業しており、飲食の支障はない
  • トイレも使用可能で、改札内トイレも開放していた
  • 外国人旅行者は目視で全体の1割弱ほどおり、座り込んで運転再開を待つ状況が多く見られた
  • 駅からの情報提供は全て日本語(アナウンス、貼り紙)
  • 大丸梅田店のみ多言語(日、英、中)で閉店の告知を掲示
全般に大きな混乱や支障は見られませんでした。外国人旅行者が相当数滞留し、困惑した面持ちで情報取得に努めるか、ただ運行再開を待つだけの状態が続き、現場での多言語による情報提供が今後の課題と言えます。

JR大阪駅、阪急梅田駅の状況

JR新大阪駅の状況

2.大阪北部地震における避難者の動向と今後の予測

当研究所のディスカッションペーパーとして「大阪北部地震における避難者の動向と今後の予測 〜茨木市の状況を中心に〜」を6月26日に発行し、発生から1週間の避難者の推移を調査・分析しました。

大阪北部地震における避難者の動向と今後の予測 
〜茨木市の状況を中心に〜

概要
2018年6月18日午前7時58分に大阪府北部を震源として発生した最大震度6弱の地震(以下「大阪北部地震」)について、発生から1週間の状況をふりかえるとともに、過去の災害における避難者数の推移や支援活動の状況などと比較し、今後の避難者の動向や必要となる施策について予測を試みた。

大阪北部地震では大阪府北部を中心に多くの自治体が被災したが、最も避難者数が多く、ガスの供給停止戸数が最も多い地域であることから、本稿では茨木市の状況を中心に調査・分析を行う。また比較対象には2007年7月の新潟県中越沖地震で震度6強を記録した新潟県柏崎市と、当研究所でも避難者への調査を行った2015年4月の熊本地震で震度7を2回記録した熊本県益城町の2つの自治体をとりあげた。

避難者数の推移を過去の地震と比較した結果、傾向としては新潟県中越沖地震での柏 崎市のケースに近いことが判明した。その結果から新潟県中越沖地震と同じ割合で避難者数が推移した場合の茨木市の避難者数推移を予測した。

また、今回の状況と過去の知見・経験を踏まえ、今後の課題と求められる施策について、
(1)在宅避難者への対応
(2)避難者の解消に向けて
(3)子どもおよび子育て支援関係者への支援
(4)要配慮者への対応
の4点の提言を行った。

ダイバーシティ研究所 ディスカッションペーパー 第1号
大阪北部地震における避難者の動向と今後の予測 〜茨木市の状況を中心に〜
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3.茨木市での在宅避難者生活実態調査の実施

地震の規模に比較して避難所を利用した避難者が非常に少なかった(茨木市で最大750人)ことから被災者のほとんどが在宅で生活を続けていることが想定されました。そこで被災した高齢者や障がい者等の災害時要配慮者を中心とする被災者の生活および復興支援を図るための被災者支援施策への適切な提案に必要な基礎資料を得ることを目的として、戸別訪問による聞き取りを通じた被災者生活実態調査等の実施を、被害の大きかった高槻市、茨木市に提言し、実現に向けて関係諸機関と連携して実施体制の確立を図りました。

その結果、茨木市において被災者生活実態調査の実施が決定し、福祉専門職経験者による調査員が戸別訪問して聞き取り調査を行いました。7月21,22日、8月5日にのべ161名の調査員が茨木市内で被害の大きかった地域を回り、913件の有効回答を得ました。調査結果と被災者支援施策への提言を報告書としてまとめ、茨木市へ提出しており、現在、茨木市が公開の準備を進めています。