商品・サービスの開発手法

第4回では、既存のソーシャル・ビジネスの事例を題材に「対象とする課題」「目標とする状態」「商品・サービスの名称」を整理し、類似したテーマを設定した受講生同士でグループになって議論しながら、商品やサービスの開発手法を学びます。

マーケティング戦略(STP)とマーケティング戦術(4P)


実は、社会をよくするためには商品やサービスははっきり言ってどうでも良いのです。どんなものでも世の中を良くすることができます。大事なのは、対象を絞ることと、対象をどんな状態にしたいのか、ということです。

マーケティング戦略(STP)とは、「セグメント」「ターゲッティング」「ポジショニング」のことです。
セグメント:
例えば、コロッケを売るとして、「誰に売るのか」を考えていくとき、対象の年齢やどこに住んでいるのかなど、大まかに対象を絞るのが「セグメント」です。

ターゲッティング:
セグメントで「地方の男子高校生」に絞ったら、それを「食べ盛りの運動部員」といった具合にさらに絞る、これが「ターゲッティング」です。

ポジショニング:
そして、そのコロッケを一日や人生の中でどのような位置づけにするのか。帰宅中のおやつなのか、夕飯の「あと一品」なのか。これが「ポジショニング」です。


STPはできるだけ限定することが大切です。対象が誰でもいい、というのは売れません。自分のためのものだ、とわからないと手を出さないのです。ただしこれは、対象以外を排除するという意味ではありません。

次に、マーケティング戦術(4P)について、これがいわゆる商品化です。どのような商品を、どうやって提供するのか。
事業を考える上で一番大切なのは「Price」です。値段がついていないものは売れません。「Place」は、どこで売るか。物理的な場所だけでなく、販売方法もここに含まれます。

グループワーク
それでは、自分たちが調べてきたソーシャル・ビジネスの例について、一般のビジネスや行政サービスと何が違うのかを議論しましょう。
様々な意見が出ました。ソーシャル・ビジネスは、会社が商品を提供するが、受益者が費用を負担するわけではない場合が比較的多くあるのも特徴の一つです。受益者以外の人から資金を得て初めて成立するタイプもあります。