一般財団法人ダイバーシティ研究所 メールマガジン
当研究所の活動や「ダイバーシティ」についての情報をお届けします

Vol.173 (2022年5月27日発行)
 
 
「生活の漢字」学習支援​
 
 「生活の漢字」教室は文化庁地域日本語教育支援事業に採択された2006年に誕生しました。日本語教育に長年にわたって貢献され、教室の立ち上げメンバーであった永井慧子さんが多文化共生センター大阪の理事であったご縁からセンターの事業として実施しており、現在はダイバーシティ研究所に継承されています。
 
 ボランティア主体の日本語学習支援は数々行われていますが、主に会話の指導が主体で日本語の読み書きを学習している活動は多くありません。しかし日本語は他の言語とは違い、ひらがな、カタカナ、漢字という3つの文字を使うという特徴があります。特に漢字は数が多く、一つの漢字に複数の読み方があることから、独学が難しく挫折する人も多くいます。そこで私たちは、生活者としての外国人が日本での生活を楽にするために楽しく漢字を学べる教室を始めました。それが「生活の漢字」教室です。
 
 「生活の漢字」とは、「毎日の生活の中で目にする漢字語(注:漢字語とは漢字を含む語彙)」、「日常生活において、その意味が分からないと生活に支障をきたす漢字語」、「読むことができて意味が分かったら、生活するうえで便利になる漢字語」のことです。教室では「今日勉強したこと」が「今日、生活のなかで使える漢字教育を行うこと」を目標に、生活の漢字が使われている場面や物の写真を使って学びます。例えば、授業では大阪駅の写真を使って「大阪駅」という漢字語を学びます。すると、それまで「OSAKA-EKI」を音では知っていたけれど、文字は「OSAKA STATION」しか認識していなかった学習者は、帰り道に「大阪駅」という漢字が目に飛び込んで来るという経験をします。単なる記号だった漢字を初めて意味を持つ文字として認識したうれしい瞬間です。
 
 私たちの実践は「新にほんご<生活の漢字>漢字みーつけた」という一冊にまとめ、アルクから2011年に出版しました。また、毎年文化庁のサイト「NEWS」に教材を提供したり、各所で日本語ボランティアを対象とした研修を行ったりしています。昨年度はオンラインによる子育てのための漢字教室も開催しました。今年度はこれまでの事業をより発展させるとともに、出前漢字教室を企画しています。しかし、支援の継続が難しく協力先も見つからないため、生活の漢字事業は今年度が最後の年になるかもしれません。このコラムを読んで、私たちの事業に興味を持たれた方がいらっしゃったら是非ご連絡頂きたいと思います。
 
新庄あいみ(『生活の漢字』をかんがえる会 seikatunokanji@gmail.com
 

 
【田村登壇のイベント】
 
サヘル・ローズ氏を迎え、
「日本で暮らす~外国ルーツの子どもとその家族」をテーマに
シンポジウムを開催します!(無料)​
 
2022年6月12日(日)、大阪市天王寺区の大阪国際交流センターで、「異なる国の人々が出会い、違いを知り、互いに支えあい、つながることの大切さを知る」を基本コンセプトに、シンポジウムを開催します。(主催:(公財)大阪国際交流センター、(社福)大阪市社会福祉協議会)
 
第1部の基調講演で登壇するサヘル・ローズ氏は、8歳でイランより来日し、ことば、文化、習慣の違いを乗り越え、現在では俳優、また国際人権団体NGOの親善大使など幅広い分野で活躍されています。「出会いこそ、生きる力」と題し、外国ルーツの子どもが日本で暮らすこと、教育など、自身の体験に基づいたお話をいただきます。
 
第2部のパネルディスカッションでは当研究所代表の田村がコーディネーターとなって、大阪・関西で活躍する外国人住民3人とサヘル・ローズ氏から「外国ルーツの子どもとその家族」をテーマに、生活習慣や文化の違いによる不安やそれを乗り越えたきっかけなどをお聞きします。多文化共生マネージャー全国協議会で事務局長を務めていた時光さんも登壇します。
 
大阪市民20人に1人が外国人である今、同じ“まち”に暮らす住民として、外国人と日本人が、互いに顔の見える存在となり、ともに地域社会の一員として活躍することで、大阪から新たな活力が生まれることを信じ、本シンポジウムを開催します。皆さまのご参加をお待ちしています。
 
            記
1 日 時 2022年6月12日(日)午後1時~3時 (開場 12時30分)
2 場 所 大阪国際交流センター 大ホール
      最寄り駅 近鉄上本町駅徒歩7分
      地下鉄谷町線四天王寺夕陽丘駅徒歩5分
      地下鉄谷町線谷町九丁目駅徒歩10分
3 定 員 500名(事前予約制)
4 参 加 費 無料
5 申 込 以下の公益財団法人大阪国際交流センターホームページから


 
【調査報告
 
「平成30年7月豪雨被災者の生活状況フォローアップ調査」
 
広島県坂町での「平成 30 年 7 月豪雨」による被災者に対し、一般財団法人ダイバーシティ研究所によるアセスメント(2018 年 9,10 月実施)と坂町地域支え合いセンターによるアセスメント(2018 年 12 月〜2021 年 12 月)で両調査を実施した世帯のアセスメント結果を抽出しました。
 
被災当初からその後の生活再建期間の状況を把握することで、「災害ケースマネジメント (DCM)」の考え方に基づく被災者支援体制の可能性と課題を検討し、効果的な被災者支援体制 の在り方の一助となる研究を実施(厚生労働行政推進調査事業費補助金(研究代表:浜松医科大学・尾島俊 之教授))しました。
 
「平成30年7月豪雨被災者の生活状況フォローアップ調査」報告書
https://diversityjapan.jp/disaster-research-2021-sakacho/


リモートワークに伴う対応について
 
新型コロナウイルス感染症対策として、当研究所でも2020年4月より原則としてリモートワークを実施しています。
 
状況が改善されるまで、ご連絡につきましては、可能な限り電子メールにて対応いただければ幸いです。
 
事務局代表アドレス
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