一般財団法人ダイバーシティ研究所 メールマガジン
当研究所の活動や「ダイバーシティ」についての情報をお届けします

Vol.172 (2022年4月15日発行)
 
 
「プライドセンター大阪」へようこそ
 
 2022年4月1日に、大阪初の常設LGBTQセンターである「プライドセンター大阪」がオープンしました。しばらくは、月、木、金、土曜日の15:00〜20:00で開館しています(臨時休館もあるので、必ずホームページでスケジュールをご確認ください)。お近くにお越しの際は、是非お立ち寄りください。

プライドセンター大阪 ウェブサイト
https://pridecenter.jp/

 様々なダイバーシティの課題の中でも、近年メディア等で取り上げられる機会の多いLGBTQなどの性的マイノリティですが、残念ながら認知度の高まりに比して法整備は遅れており、日本は「いわゆる先進国の中では圧倒的に後進国」、という状況です。包括的な差別禁止法も、婚姻の平等(同性婚の法制化)もありません。法律がないので、所管省庁も決まらず、行政の予算措置もありません。戸籍の性別を変更するには、不妊手術でもある性別適合手術を受ける必要があり、国際機関から人権侵害の指摘を受けています。

 新型コロナウイルスの感染拡大は多くの人に痛みを残していますが、パンデミックの影響をより強く受けがちなのが、女性、人種的マイノリティ、性的マイノリティなどの社会的マイノリティだと言われています。感染拡大前から、差別や偏見を受け、非正規雇用やメンタルヘルスの問題などを抱え、心身の健康や収入に格差があったところへのコロナ禍、なのです。

 この2年間、LGBTQの人びとは、仲間とつながる機会が極端に減りました。LGBTQの集まる飲食店は真っ先に閉まりました。多くのLGBTQは社会的にカミングアウトしないで暮らしており、もしLGBTQの集まる場所で感染したら、感染経路を保健所や職場に言えない、という恐れがあったためです。怪我や病気で入院したら、親族でさえ面会が限定される中、法的な親族ではない同性パートナーが面会や病状説明を拒まれる、という事態も起きました。LGBTQのイベントはオンラインで開催されるようになりましたが、無理解な家族とステイホームを強いられ、イベントに参加できなくなる人が出てきました。社会のストレスの高まりもあるのか、LGBTQに関するニュースにはヘイトとしか思えないコメントが沢山つくようになっています。私たちは、人と人とのリアルなつながりが、切実に必要だと考えました。

 やっとワクチンや治療薬が出てきたこともあり、昨年秋から物件を探して、「プライドセンター大阪」の設立に至りました。陽の光、川面を渡る風、公園の緑。誰もが深呼吸できる、癒しの場になれば、と思っています。LGBTQの社会問題に関する本もありますが、絵本やおもちゃも置いて、随所にクスッと笑える仕掛けもあります。是非探してみてください。

 ウクライナからのニュースに心を痛める日々ですが、実は、最近の武力衝突はLGBTQを抑圧する国で起きています。アフガニスタン、ミャンマー、そしてロシア。マイノリティへの人権侵害を許容してきた社会が、その帰結として、戦争や内戦という最悪の人権侵害を起こしているように思えてなりません。今、世界のLGBTQの仲間たちがSNSで連絡を取り合い、連帯を呼びかけています。私たちも、今できることを。日本社会の、地域の、ダイバーシティ&インクルージョンを進めることは、世界平和への一歩になると信じています。
 
認定NPO法人虹色ダイバーシティ 代表・理事長
一般財団法人ダイバーシティ研究所 理事
村木 真紀

 
ダイバーシティ推進のセミナー・研修をお手伝いします
 
ダイバーシティ研究所では2007年の創設以来、全国各地から多くのご依頼を受け、講演や研修を通した地域や組織でのダイバーシティ推進に関する概念の普及や、具体的な実践のためのノウハウの提供に努めてきました。
 
この度、多文化共生や防災の領域で研究や研修に携わってきた「楊 梓(よう し)」さんが研究主幹として就任し、より幅広くダイバーシティ推進のご要望にお応えできるようになりました。セミナー・研修をお考えの際はぜひご検討ください。
研修・講演会・セミナーのご紹介
https://diversityjapan.jp/coordination-for-seminar/


ディスカッションペーパーNo.3
ダイバーシティ&インクルージョンの理論と実践 〜関西が先進地となるために〜
 
ダイバーシティ研究所ではディスカッションペーパーとして、活動を通じて得た知見や提言を広く共有してきました。この度(2022年4月14日)、No.3として「ダイバーシティ&インクルージョンの理論と実践〜関西が先進地となるために〜」を公開します。
 
関西経済連合の労働情報マガジン「労働情報月報」にて、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の概念や具体的な取り組みを4回にわたって解説し、2021年12月号から2022年3月号にかけて掲載されたものをディスカッションペーパーとして再編しました。
特集「ダイバーシティ研究所 ディスカッションペーパー」
https://diversityjapan.jp/discussion-paper/


【関連団体・活動のお知らせ 1】
Yahoo!基金 2022年度被災地復興調査助成
 
Yahoo!基金では、被災地の復興を支援するための助成を実施します。復興支援活動を行う際の、被災地域や被災者のニーズに関する調査・分析の実施、および、その結果に基づいたパイロット事業に助成をするものです。
災害被災地復興支援 - Yahoo!基金
https://kikin.yahoo.co.jp/support/fukko.html


【関連団体・活動のお知らせ 2】
雲南市のイ・ジェジンさんが手がけた「チーズタッカルビの素」
オンラインショップOPEN!
 
島根県雲南市で「食を通じた多文化交流の場」としてカフェを運営する韓国出身のイ・ジェジンさんが、このほどご自身で開発された「チーズタッカルビの素」を販売するオンラインショップをオープンされました。
 
ジェジンさんは2012年から5年間、雲南市で国際交流員を務められたあと、「多文化共生のまちづくりに取り組むことで、雲南市へ恩返ししたい」と、古民家を改装した交流拠点の立ち上げに奔走されました。
 
コロナ禍で交流拠点で運営するカフェの売上がほぼゼロになり、危機を乗り切るためにカフェのメインメニューを家庭でも簡単に味わってもらおうとオリジナル「タッカルビの素」を商品化。2021年5月から販売しています。
 
この4月1日からオンラインショップもオープンされましたので、みなさんにお知らせいたします。試作品の時から堪能させてもらっていますが、手軽に本格的なタッカルビをつくることができ本当におすすめです。ぜひお買い求めください!(田村太郎)
「チーズタッカルビの素」オンラインショップ
https://peraichi.com/landing_pages/view/zycvv/


リモートワークに伴う対応について
 
新型コロナウイルス感染症対策として、当研究所でも2020年4月より原則としてリモートワークを実施しています。
 
状況が改善されるまで、ご連絡につきましては、可能な限り電子メールにて対応いただければ幸いです。
 
事務局代表アドレス
office@diversityjapan.jp

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発行日:不定期
発 行:一般財団法人ダイバーシティ研究所(DECO)


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