昨年の秋、本研究所への要請に応えるかたちで千葉商科大学においてダイバーシティ・インクルージョンをテーマとした講演を行いました。千葉商科大学では昨年3月に、人権を尊重し、性別、障がい、人種、国籍、民族、性的指向、性自認、宗教、信条等に基づくいかなる差別も生まない環境を整えるという観点から、『ダイバーシティ推進宣言』を大学内外に発出しています。その具体的な実践のために「ダイバーシティ推進委員会」(委員長:今井重男副学長・教育改革センター長)を設けて様々な活動を展開しています。私は、10月27日に行われた研修会「大学におけるダイバーシティの推進について」にオンラインで参加し講演を行いましたが、200名以上の教職員が参加され、関心の高さを強く感じました。
千葉商科大学の掲げた「ダイバーシティ推進宣言」では、
- 多様な知と豊かな感性が本学の教育理念の実現において極めて重要であることを認識し、多様性を受容し、尊重すること、
- すべての学生・教職員が異なる属性や多様な価値観を受容し、尊重しあうことの大切さを理解するよう啓発に取り組むこと、
- 学内における種々の多様化に積極的に取り組み、すべての学生・教職員の個性と能力が十分に発揮できる教育・研究・就労環境を整備すること
を目指しています。
私は、企業において現在、進められているダイバーシティの基本理念と組織の活性化のために行っている女性の活躍促進、働き方改革、年齢を問わない人材の活用、バリアフリー社会の実現(障がい者雇用)、外国人材の受け入れ促進、性的マイノリティへの配慮などの具体的な方法を示しましたが、様々な角度からの質問が出され、また意見が交わされました。
千葉商科大学では、私が参加した研修会に引き続き、11月には学生、教職員を対象に「ダイバーシティウィーク2021」という啓発イベントを実施し、シンポジウムや映画の上映会などを行っています。
企業に限らず大学などの教育機関でも具体的な取り組みが進められている今日、当研究所でも様々な組織での活動に対して助言を行い、社会全体でダイバーシティ・インクルージョンの理念が共有され実践されるよう努めていきたいと考えています。
一般財団法人ダイバーシティ研究所
参与 井上 洋
【参考資料】
千葉商科大学ダイバーシティ推進宣言